
12月16日Vol.143:配信
連載:社員インタビュー
第1話_慶野聡さん(1課)

小山の製鉄所で15年近く、ものづくりの仕事に携わっていた。夜勤もあり、身体が続かなくなった時、ふと転職を考えた。子どもが3人いる身で、そう簡単には生活を変えられないけど、身体と精神がついていかなくなった。
ある日、求人欄で見つけた栃木レザーの広告。革好きでもある自分は、すぐ応募し挑戦することに決めた。
入社して数ヶ月、なんと12キロの体重減。きつさという意味では、それほど前の仕事と変わらないのに。筋肉が鍛えられているようで、無駄な贅肉がそぎ落とされた。
まるでジムで運動をしているような毎日。仕事をしながら、身体が鍛えられて、汗かいて、知恵絞って、痩せられるのなら一石二鳥!いや、三鳥だ!
そんなわけで、上司の雨宮さん、秋澤さんに鍛えてもらいながら仕事を覚え、43になったは今、入社間もない若手と4人タッグで1課の鞣し後の工程を担っている。
ここは、4人の呼吸があわないと、うまく進まない。まだまだ社歴は浅いけど、日々違う表情を見せてくれる革の違いを、感じられるようになった。

12月17日Vol.144:配信
連載:社員インタビュー
第2話_慶野聡さん(1課)

家の目の前に広がる田んぼと青空。小さい時からこの風景と共に過ごしてきた。夏になると青々とした稲が風になびき、蛙の大合唱がはじまる。四季を通じて田んぼに訪れる生き物で命を感じ、景色の変化で1年の流れを感じる。
うちの家は、米農家。祖父がずっとやっていたけど、歳はもう90。ずっとそばで米作りを手伝ってきたけど、いよいよ引退することになった。「じゃ、俺がやるよ」と、少し田んぼを縮小して、働きながらできる範囲で今年、米作りを引き継いだ。
奥さんと母親と3人。これまでは、祖父の手伝いとしてやってきたけど、はじめて自分が主体となって米を育てた。立ち場が少し変わっただけと思っていたけど、いざ、やってみるとまるで違った。それでも、祖父からの教えを実践し、なんとか9月、飼料用の米の出荷と、自分たちの食べる分ができあがった。
初めて作った米を炊いて食べた時の味は、もう、最高だった。美味い。言葉にはできない感動もあった。
命を育てること、奥さんと母親という家族でつくりあげたこと、それまで頑張ってきた祖父への敬意も表して、味わった米。忘れられない。

12月18日Vol.145:配信
連載:社員インタビュー
第3話_慶野聡さん(1課)

平日は、革づくり。週末は米づくり。ものづくり好きの自分にとっては、いい人生を送っていると思う。
革は、命を終えたものの再生。
米は、生まれ育てる命。
違うようで、同じような・・・無駄な命は、何一つありゃしない。子どもの頃から、そんなものづくりが好きだった。
19の時に結婚して、5年間はガソリンスタンドで働いていた。子どもは3人。早く結婚したから、上の二人は、もう社会人。下の子は高校2年になる。
今のこの生活、環境が自分にとっては落ち着く。Uber Eatsはないけど、不自由なことも何一つない。都会では、絶対に住めない。てか、魅力はあまり感じない。
最近、よく思うのは、米作りもそうだけど、みんな、やめちゃうんだよ。継ぐ人がいないから。革づくりも、残る人が少なくなってきている。このままだと、残らない。
だから、その歴史を閉ざしたくない。残したいよな。米作りも、革づくりも。

12月19日Vol.145:配信
連載:社員インタビュー
第4話_慶野聡さん(1課)

栃木レザーって、ユニークな人材の宝庫だと思う。昭和的な体育会系のノリも感じるけど(笑)。年齢層も幅広く面白い。全部を知っているわけではないけれど、たまにMIMOSAを読んだりして、人となりに触れて見る。
自分の性格もあるけど、人の中にすっと入るのがちょっと苦手。だから、余計に入れない空気を感じてしまう。仕事とプライベートはきっちり分ける方だけど、この会社の伝統を残していくことに自分も貢献したいから、人との関わりも大事かな、と。
前の職場では、よく勉強会が開催されていた。製鉄所だったから、安全性をテーマにした業務改善など、自分たちで取り組んだ成果を発表することもあった。そうした場は、みんなの交流の場でもある。
そんな勉強会とかがあったら、参加してみたい。新商品開発プロジェクトにも興味はあったけど、自営の米作りがあるから、連続参加はなかなか難しい。だけど、そうした機会を通じてもっと色々な人、面白い発想や特技を持った人と交流できることって、いいんじゃないかな。
ものづくりの視点や部門独特の作法も知りたいし、自分の仕事にも生かせると思う。この仕事は、仲間との呼吸が生命線。
他の部門とも呼吸を合わせて!

12月20日Vol.146:配信
連載:社員インタビュー
第5話_慶野聡さん(1課)

革の仕事、すごくやりがいを感じる。その一方で、この先の将来性に不安がないとは言えない。工場の老朽化も進んでいる。いつも工場を見渡しながら、「大丈夫かなぁ」なんて心配になる。大きな地震もいつくるかわからない。
栃木レザーに限らず、人手も不足しているし、技術の継承とか、ものづくりの世界は色々と課題が多い。自分がやっている米づくりも同じ。
でも、ものづくりは、社会を豊かにするし、人の心もワクワクさせてくれる。
自分はまだ、1課しか経験していないけど、最後の工程、仕上げとかは、全然、違うものづくりが繰り広げられているんだろうなと創造する。 何度か手伝いに何度か行ったことはあるけれど、それだけでは何もわからない。
自分が携わった革がどうなっていくのか、先を想像することはなかなか難しいけど、きっと、どこかで誰かのもとで、生きているはず。
時代に合わせて変化していくことは多いなかで、伝統的な工法が生き残る栃木レザーを通して、自分自身もものづくりを盛り上げていくことが大切なのかな。
